春闘アピール
主張を担う労働組合に結集し
確かな明日に前進しよう

 いま、国と資本の手によるやりたい放題の政策が、国民に身勝手な現実を次々と押し付けています。小泉首相は、戦争を二度としないと誓った憲法をねじまげ、平和を願う国民の心を踏みにじって、イラクヘの派兵を宣しました。際限のない国家財政の危機は、大企業を支える過大な公共事業や税制優遇などの構造が転換されないまま、将来にわたる国民生活の破綻に全面的に転嫁され続けています。大企業は、危機を叫びながら労働者犠牲で業績を回復し、なお、雇用つぶしを加速させています。
 国民の多くは、このような政策の展開に同意した覚えはありません。 しかし、その声は心の奥底に閉じ込められたまま、時が刻まれています。財界主導で真の争点を隠す「二大政党制」への誘導、隣国の状況も最大限利用したナショナリズムの鼓舞、教育現場への国の支配の強まり、職場の長時間労働、リストラヘの恐怖。そして何よりも、この国の労働者の8割強、4320万人が労働組合をもたないという事実。このようにつくられた状況が、国民の思考する時間と抵抗する精神を抑え込んでいます。
 損保産業は、1998年「自由化」後、日本経済の危機対応に巻き込まれ、社会的役割、業界秩序、損保労働者の権利などを一切ないがしろに変貌し続けてきました。あいついだ統合・合併はかつてない圧倒的な募占を生み、強者の論理むきだしでスケールメリットが競われています。「何でもあり」の施策が降り注ぐ職場には、長時間過密労働の劣悪化に加え、荒れた人間関係、誇りと働きがいの喪失という“三重苦”が広がっています。職場から人間性を奪う成果主義が強化され、成績不振者を追及する会議、中高年を冷遇する雇用政策なども横行し、心身を病む仲間も増加しています。繰り返される希望退職は、やめさせたいという会社の“希望”をかなえ、本人は働き続ける希望を失って退職していきます。“やめさせられる”“やめたくなる”状況が、日常の光景として誰の目の前にもあります。

組合員の皆さん
 これらの現実がいくつ積み重ねられても、今日よりよくなるとは誰も思っていません。しかし、誰もが、この国、産業と職場、生活の確かな明日を手にしたいと願っています。いま、おしつけられる身勝手な現実に抗し、働くものが自ら主張することにこそ、確かな明日に向けて前進する鍵があります。
 これまでも全損保は、それぞれの時代に、働くものの声と結びつき、資本の攻撃に立ち向かい、役割を追求してきました。かつてない事態を次々ともたらした「自由化」5年のもとでも、職場の声に依拠してたたかってきました。そして、この国の労働者の8割強が組合をもたないこの時代に、私たちは、一人ひとりの真の拠り所となろうと活動を重ねています。
 だからこそ、この春闘は、働くものの要求、憤り、不安、希望、考えていること、感じていることなど、すべての主張を担うこの労働組合に結集し、力をあわせ、胸を張って、確かな明日に向け前進していく春闘です。
○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○損保産業の社会的役劃を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘する、の運動の柱に立つすべての要求と課題の実現に向け、主張と行動に全力を注いでいきます。
 この国、産業と職場、自らの明日に向かい、2004年春闘を、ともに意気高くすすめていこうではありませんか。

2004年1月19日
全日本損害保険労働組合 支部地協代表者会議





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